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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。
月報「なむ」
2026年1月
謹んで新春のお慶びを申し上げます
『蓮如上人御一代記聞書』に、明応二年正月一日の出来事が記されています。京都勧修寺村の弟子・道徳が新年の挨拶に伺ったとき、蓮如上人は
「道徳はいくつになるぞ。道徳、念仏申さるべし」と仰せになりました。正月の挨拶としては意外に聞こえますが、ここに浄土真宗の大切な教えがあります。
当時は数え年の時代で、生まれた時を一歳とし、正月を迎えるごとに皆が同時に一つ年を重ねました。生命をいただき、新しい年を迎えられることは何よりの喜びでした。しかし医療も乏しく、戦や疫病が身近な時代には、今日こうして生命をいただいていることは決して当たり前ではありません。
現代の私たちの生命も、ご先祖が生命をつなぎ、多くの方々の支えとご縁の中で生かされ、また多くのいのちをいただきながら生きている尊い生命です。決して自分一人の力だけで生きているのではありません。蓮如上人は、その現実を深く見つめ、「いくつになるぞ」「念仏申さるべし」と仰せになったのです。
それは私たちに、「人生を共に歩んでくださる阿弥陀さまがいる。必ず救ってくださる阿弥陀さまの願いに気づいてください。感謝とともに人生を歩んでください」と勧めてくださったのです。
お正月は、阿弥陀さまと共に歩む生命として、一年の始まりの喜びの時なのです。
January 2026 Issue
