福住寺

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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。

月報「なむ」

2025年4月

無財(むざい)の七施(しちせ)〜誰でも出来る七つの施し〜

仏教には、人々が人間形成に努めて幸せや安らぎの境地に至る道として六波羅蜜(ろくはらみつ)の行があり、その第1番目が布施(ふせ)とあります。「布」は「分け隔てなく、あまねく」、「施」は文字通り「ほどこす」という意味です。万人に等しく、施しをする人はもとより、受ける人の心も清く、布施の内容も清らかであることが大切であると説かれています。

世間一般の損得勘定では、与えた人よりも与えられた人の方が得をするようなイメージですが、布施は、ほどこした人の方が幸せな気分になり、与えられた人よりも与えた人を幸せにするのではないでしょうか。

また、一般に「布施」と聞くと、やはりお参りや法要の時に包む「お布施」を思い浮かべるかもしれません。しかし、布施というのは金品に限った話ではないのです。「ありがとう」「おかげさま」の気持ちを行動で表す身近な実践として、お経に説かれている「無財の七施」があります。

@ 眼施(げんせ)
  あたたかい眼差し
A 和顔悦色施(わげんえつじきせ)
  にこやかな笑顔
B 言辞施(ごんじせ)
  やさしい言葉
C 身施(しんせ)
  自分の身体でできることを奉仕
D 心施(しんせ)
  他のため思いやりの心をくばる
E 床座施(しょうざせ)
  他人に席を譲ること
F 房舎施(ぼうじゃせ)
  他人に心安らぐ場所を提供する

一日一善という言葉がありますように、私たちも普段の生活の中で、「無財の七施」の一つでも心のこもった布施を実行できれば、他人も自分までもが心安らぐ、幸せな人生を送れることでしょう。
※天台宗 一隅ライブラリーより 要約

April 2025 Issue

 

 

光明山 福住寺

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