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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。
月報「なむ」
2025年3月
四門出遊(しもんしゅつゆう)
一国の王子として不自由のない生活を送っていたお釈迦様は29歳で出家しました。お城の四つの門から出て見聞を広げたのが出家の動機で、「四門出遊」として伝えられております。
ある時、お釈迦様が東の門から出てみると、ひとりの老人に出会いました。体も弱り、心も思うようにならず嘆く老人を見て、年齢を重ねた自分の姿であると感じたのです。
次に、南の門から出てみると、病人に出会いました。重い病に苦しんでいるその姿から、やがて自分も病を得ていかねばならず、逃げられないことに気づかされたのです。
次に、西の門から出てみると、葬儀の列に出会いました。自分も「死」から離れられないことを知り、「死なない方法はないのか」と、問うようになられました。
次に、北の門から出てみると、生き生きとした容姿の出家修行者に出会いました。人はみんな死を迎える。この行者に心を惹かれて、苦悩をこえていく道を求め、国王の地位や名誉、多くの財産をみんな捨て出家されたのです。
この「生老病死」の四苦をこえる道を求めて出家されたお釈迦様と同じように、私達も苦悩から逃れられない生命であります。お釈迦様が説かれたみ教えをもとに、お念仏の道を歩みましょう。
March 2025 Issue