福住寺

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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。

月報「なむ」

2025年5月

お給仕A 供華(くげ)

四月も後半になり、雪深かった景色も一変し過ごしやすい季節となってきました。暖かい日も多くなり春の花である桜や梅の花も咲いてきました。色鮮やかな花は私たちの気持ちも晴れやかにしてくれるように思います。

私たち門信徒にとってお花は仏花としてお供えする、仏さまへの荘厳になくてはならないものの一つです。お浄土の荘厳の様を表し、仏さまに、感謝を込めてお供えするのが仏花です。『仏説阿弥陀経』には、お浄土では、一日六回美しい曼荼羅華の花びらが雨のように降り注ぐと説かれています。また同時に仏壇にお供えしたお花は、私たちに向けられた、仏さまのはたらきをあらわすものでもあります。お花をお供えするときに私たちのほうに向けて供えるのはそのためです。

「お浄土の池には、大きな美しい蓮の花が色とりどりに咲いていて青い花は青い光を、白い花は白い光を放っている」と説かれています。あらゆる「いのち」は、それぞれ違うけれど比べることなくその持ち味のままで美しく輝いていることを、知らせてくださいます。特に蓮は、泥沼に咲きながら泥にそまらず、それどころか泥沼を美しい花園に変えていきます。仏さまのはたらきは、煩悩にまみれ悩み苦しむこの私を照らし、清浄な心へと育ててくださるのです。

お仏壇にお供えしたお花を通して、先立っていかれた大切な方がおられるお浄土の風景を想い、そしてこの私も同じ場所に導いてくださる阿弥陀さまのはたらきの中にあることを味わわせていただきましょう。

May 2025 Issue

 

 

光明山 福住寺

札幌市豊平区福住1条1丁目3番1号
TEL:011-851-8654