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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。
月報「なむ」
2024年12月
成道(じょうどう)の日
12月8日は「成道の日」です。一国の王子で生まれたお釈迦様は、幼くして生母を亡くすなど無常を問い、道を求めて29歳で出家され、約6年間にわたる厳しい修行をされました。 しかし、自らの心や体を衰弱させる偏ったものでは、悟りを完成することはできないと気づき、苦行を捨てるのです。
骨と皮のような姿の釈尊は、尼連(にれん)禅(ぜん)河(が)にて身を清め、スジャータという村娘の差し出す乳粥をすすり、気力と体力を回復しました。その後、菩提樹(ぼだいじゅ)の下で瞑想に入り、ついに悟りを開かれ仏様と成られたのです。煩悩の誘惑を振り切り、悟りを得られたので「降魔(ごうま)成道」と言われております。
当初、仏様に成られた釈尊は、悟りの道を人々に伝えることを躊躇(ちゅうちょ)されました。それは、言葉では表現できないものを伝える難しさや、煩悩の執着に明け暮れる人々に、教えを説いても理解されないと感じておられたからです。
そこへ「是非、あなたの悟りの境地を人々へ伝えて欲しい」と、梵天(ぼんてん)という神格の切なる要請に応じて、説法生活することを決意されたのです。
医者が病気を診断し、適切な治療と薬を処方することと同じように、煩悩の病に苦しむ私に相応しいお念仏の妙薬を処方して下さっているのです。
釈尊が悟りの仏様に成られたことを祝う法要を「成道会(じょうどうえ)」と申します。
December 2024 Issue