福住寺

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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。

月報「なむ」

2024年10月

わけ合えば(相田みつを)
うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる
うばい合えばあらそい わけ合えばやすらぎ
うばい合えばにくしみ わけ合えばよろこび
うばい合えば不満  わけ合えば感謝
うばい合えば戦争 わけ合えば平和
うばい合えば地獄 わけ合えば極楽

ニュースを見ていると、ウクライナ・ロシアの戦争や、イスラエル・パレスチナの情勢が連日報道されています。あるいは、このような武力衝突にまでは至らなくともアメリカと中国との利権争いなど、世界各国の争いごとが見受けられます。

また、日本に目を向けてみると、先日は「令和の米騒動」と呼ばれた米不足のニュースが世間を騒がせたことです。どのニュースを見ても、事の大小はあれど、限りある土地や資源・物資を分け合うことなく、われ先に得ようとする心がそうさせているように思います。

悲しいことに私たち人間の本性というのは、他人から何かを奪い取って、自分だけが幸せになろうとするもののようです

仏教を開かれたお釈迦さまは、そんな人間の心の根底にある我利我利(がりがり)の心を見抜き、まるで地獄の心であるとおっしゃられました。そして本当の幸せというのは、そういった利己主義の心を離れて自利利他(じりりた)の心を保つこと、つまり相手の幸せがそのまま私の幸せであると、仏教では教えられるのです。

相田みつをさんの『わけ合えば』という詩は、仏教を学んだ相田さんが、自利利他の心を見事に表した素晴らしい詩であると思います。

仏様というのは、すべてのものに分け隔てなく深い慈しみの心を向けておられます。そのお心こそがお念仏なのです。自分だけが良い思いをして喜ぶお念仏ではありません。みんなが一緒になって喜びを分かち合えるのがお念仏なのです。

利己的な心を離れるのが難しい私たちではありますが、仏様のお心にかなう生き方ができるようお念仏を味わってまいりたいと思います。

相田みつをさんの『わけ合えば』という詩は、仏教を学んだ相田さんが、自利利他の心を見事に表した素晴らしい詩であると思います。

October 2024 Issue

 

 

光明山 福住寺

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