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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。
月報「なむ」
2024年9月
お取り越し
浄土真宗のみ教えを顕かにして下さった親鸞聖人のご遺徳を偲び、大切に勤めている報恩講法要が各寺院で勤まる時期になりました。「お取り越し」と言いならわし、京都西本願寺での報恩講に繰り上げ、多くの寺院にて開催されます。
報恩講の「講」とは、人々が寄り合うこと、お念仏のみ教えを褒め讃える集まりを意味しています。コロナ禍では、ステイホームが呼びかけられて、この数年は、人の集まる場所を避けて、大事な友人との距離ができてしまった人も多いのではないでしょうか。離れてしまった人との関係を取り戻すことは容易ではありません。
感染症と上手く付き合いながら生きていかなくてはなりません。外出することを避けたままでも健康を害しかねません。そこで、お寺での法要や行事などに積極的に参加し、これまでにない、心新たに生活を見直してみるのはいかがでしょうか。
お寺へ出向く時も、病院へ行く時も、冠婚葬祭などであっても、身だしなみを調えて、おしゃれをします。できるだけ健康を維持するために大切なことなのかもしれません。
お寺では、大切な方を亡くすなど、同じ境遇の方とおしゃべりをする機会もあります。また、自分や家族のことなど、生活においての苦しい胸の内を吐き出すことで、心が軽くなることもあるのです。
悲しみ苦しみは、人と分かち合うことで小さくなり、逆に、嬉しい気持ちなどを人と共有することで、その喜びがさらに大きくなるのではないでしょうか。
暑い時期が過ぎ、心地いい秋風の吹く季節です。9月は、報恩講法要を皮切りに、秋季彼岸会、その他、今期の学びや習い事が始まる時期となります。拝んで病気が治るわけではありませんが、心の健康を維持する一助になりうるお寺参りや行事への参加です。積極的なご参詣、ご参加をお待ちいたしております。
September 2024 Issue