福住寺

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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。

月報「なむ」

2024年4月

灌仏会(かんぶつえ)【花まつり】

今から約2500年前の4月8日に北インドのルンビニーの花園でお釈迦さまはお生まれになりました。お釈迦さまのご誕生のとき、様々な珍しいことが起こったそうです。花園の花は、かぐわしい香りを放ち、天からは甘露の雨が降り注いだそうです。 そして、すぐに7歩歩んで、天と地を指差して、「天上天下唯我独尊」と言われました。このお姿を元にして、毎年4月には、お釈迦さまの誕生仏に甘茶をかけたり、地域によっては白い像に花御堂をつけて町の中を行進したりと、各地で花まつりの行事が行われます。

しかし、そのような行事をしていても、不思議なことに浄土真宗のお寺の本堂にはお釈迦さまのお姿が見当たりません。皆様方のお仏壇にも見当たらないと思います。それでは、浄土真宗では仏教を説いて下さったお釈迦さまをないがしろにしているのかというと、決してそうではありません。

親鸞聖人の書かれた正信偈をみますと
「如来世に興出(こうしゅつ)したまうゆえは、ただ弥陀の本願海を説かんとなり」
とうたわれております。この如来というのは、お釈迦さまのことです。お釈迦さまがこの世にお出まし下さったのは、阿弥陀様のご本願(働き)を私に知らせようとして下さったからであるという意味です。何があっても必ず救うという阿弥陀様のお働きを私にわかるように説いて下さったのがお釈迦さまなのです。浄土真宗ではその教えを仰ぎ本堂や、お仏壇に阿弥陀様をご安置し、手を合わすわけです。それこそがお釈迦さまの本意にかなうことではないでしょうか。今この私がお念仏の働きに出遇うことが出来たのは、お釈迦さまがこの世にお出まし下さったからだと感謝するのが灌仏会(花まつり)のご縁であります。福住寺でも4月8日に灌仏会が勤まります。花御堂に安置した誕生仏に甘茶をかけて、お釈迦さまのご誕生をお祝いいたしましょう。

April 2024 Issue

 

 

光明山 福住寺

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