福住寺

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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。

月報「なむ」

2023年9月

前(さき)に生(うま)れんものは後(のち)を導(みちび)き、後に生れんひとは前を訪(とぶら)へ、連続(れんぞく)無窮(むぐう)にして願(ねが)はくは休止(くし)せざらしめんと欲(ほっ)す。無辺(むへん)の生(しょう)死海(じかい)を尽(つく)さんがためのゆゑなり『顕浄土真実教行証文類』

お盆やお彼岸など、大切な方のご命日を偲んでのお参りは、仏さまのみ教えに出遇う仏事です。現在、家族親族といえども、なかなか集まる機会が少なく、コロナ禍などの、様々な感染症の影響も心配されるところです。

大切な方々のお骨をご安置してある納骨堂や、お墓などへ出向いてお参りをする風習は、どのような意味があるのでしょうか。私がこの世に生まれてきたのを考えてみますと、両親をはじめ多くのご先祖様がいのちを受継いできてくれたおかげであるといえるでしょう。いのちは私ひとりのものではなく、多くのつながりの中で存在している貴重さを教えてくれるのです。

上記のお言葉は、「前(さき)に浄土へ往生し、悟りの仏さまと成られた方々は、この世に残された私達を真実の道へと導いて下さるのです。そして、後から生まれる人は、前に生まれた方々のいのち、み教えを訪ねていきなさい。それは、苦しみ悩む生きとし生けるものが、みんな残らず救われるため、お念仏の相続が連続してとどまることのないようにする意味があるのです」と、親鸞聖人の主著『顕浄土真実教行証文類』の末尾に顕して下さっております。

私達が、この世に生まれるずっと前から、お念仏を聞かし育てて下さる仏さまがおられるということなのです。

今月は報恩講法要と彼岸会が勤まります。時あるごと、ご家族皆様お揃いで心を静かに参詣する時間は、尊い空間となるでしょう。何かとご多用な中でも、お参りの習慣を大事にしたいものです。

September 2023 Issue

 

 

光明山 福住寺

札幌市豊平区福住1条1丁目3番1号
TEL:011-851-8654