福住寺

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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。

月報「なむ」

2019年8月

いのちをみつめて

新しく年号が令和に変わって、毎日のように様々な事件や交通事故、豪雨などの自然災害などが頻発しています。特に、親や子供、身近な人など、また、他人を無差別に殺害するというような凶悪事件が続いています。

いのちを奪うという行為は、どのような理由であれ許されるべきものではありません。しかし各事件を通じて、生きづらい世の中であり、この人間社会に大きな問題があることを露呈しているのではないでしょうか。

「どうして人を殺してはいけないのか」ということを、真宗学のある先生は如来さまの教えに照らして次のように教えてくれました。

私たち人間は雑食もいいところ、何でも食べる。海のものだろうが山のものだろうが、植物だろうと動物だろうと何でも食べる恐ろしい生き物なのです。しかも、あらゆるいのちを殺して食べないと、この世は生きていけないように出来ているのです。

一匹の小さな虫を捕まえようとすると、人間に殺気を感じて虫は逃げる。死にたくないと抵抗する。同じように人間も殺されると思えば逃げ、死にたくないから抵抗する。

自分にしてほしくない、嫌だと思う行為を相手にしてはならない。だからいのちを殺してはいけないのです。と如来さまはわかりやすく教え、不殺生(ふせっしょう)として戒(いまし)めておられるのです。

自己中心的な恐ろしい心は、都合の良い人、悪い人を判別します。直接凶器などでいのちを害することをしなくても、間接的に言葉や態度で相手を傷つけることをしてしまう罪深い私であるのだと知らせて下さるのです。

August 2019 Issue

光明山 福住寺

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