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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。
月報「なむ」
2019年6月
生死(しょうじ)出(い)づべき道
親鸞聖人は承安(じょうあん)3年(1173年)5月21日に誕生し、9歳で出家、20年間比叡山で厳しい仏道修行に励まれましたが「生死出づべき道」の解決を見いだせず、29歳で比叡山を後にされました。そして法然上人とめぐり遇い、お念仏の道を学ばれたのです。 では「生死出づべき道」とはどのような道でしょうか。私達は、今生きている事を当たり前のように考え、その向こうに死があるように思いがちです。しかし、昨日までの命は何処にもなく、明日の命を保証するものもありません。確かな事は、命は今ここにしかないという事であり「生死出づべき道」とは、生死の苦しみを超えるための道に他なりません。 聖人は90歳で往生されるまで、人間がしあわせに生きる道は、お念仏以外にはないということを説かれ、人々が仏様の働きによって生かされて行く道を切り開いて下さり、その教えが今も多くの人達の心を捉えています。それは私達も聖人と同じように人生の問題を背負っているからではないでしょうか。 聖人が力強く歩まれた「生死出づべき道」を、私達もお念仏と共に歩ませていただきましょう。