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「なむ」は平成2年から毎月発行している福住寺の寺報です。
月報「なむ」
2018年12月
一年の 早、過ぎ行きて 除夜の鐘
今年も早、年の瀬を迎えますが、この一年はどのような年だったでしょうか。うれしかったこと、楽しかったこと、悲しみ迷い悩んだりしたことなど「もう一度あの日に帰れたらなぁ」などと思ったことはなかったでしょうか。色々あったにせよ「あっと言う間の一年だった」という実感を、ほとんどの方がお持ちなのではないでしょうか。そのことに広く眼を向けると「人生はあっという間に過ぎていくものである」ということにも気付かされます。
仏さまの教えに「諸行無常」という言葉がありますが、これは、人生のはかなさ、いのちのもろさ、あるいは死を意味するものとして味わっている方も少なからずあるとは思いますが、本来の意味は「この世のものは絶え間なく変化し続けている」という事実をありのままに述べられたもので、仏教が説く真理(道理)の一つです。
例えば、人が死ぬのも無常なるが故ですが、生まれることも無常、成長することも無常だということなのです。
ですから、転がり落ち、不幸だと感じる人生も無常ですが、不幸だと思っていた人生が、ふとしたことで幸福感に包まれていく人生も無常なのです。
この世のあらゆる事物は、様々な原因や条件によって直接的・間接的に生じ、絶えず変化して永遠ではありません。だからこそ一瞬一瞬が貴重であり、限りある
いのちを大切にしなければならないのです。
親鸞聖人はお釈迦さまが説かれた真実の教えである、「南無阿弥陀仏」のお念仏を拠りどころとして生き抜かれた方でした。その親鸞聖人が「いのちのありがたさに感謝させていただきながら、一瞬一瞬を大事に生きることが大切なんだよ」とお示しくださっているのです。
「あっ」と言う間に過ぎ行く人生だからこそ、この年の瀬に自分の無常のいのちをあらためて見つめなおし、お念仏に生かされていく人生を皆様と共々に味わわせていただきましょう。
鹿児島教区「心のともしび」参照
December 2018 Issue
You never know what will happen next in your life.
The year has gone quickly and we can already hear the gongs of the New Years Eve.
How was your year now that we are at the end of it.
There must have been pleasing and fun things as well as regretful, sad or worrisome things.
Some of you may also be wishing to turn the clock to a particular time.
Most of you would be feeling that the year went very quickly.
Amida Buddha said "Shogyo Mujo" (nothing is permanent).
“Shogyo Mujyo” is a Buddhist term that combines two phrases: “shogyo” encompasses every bit of every phenomenon in this world; “mujyo” means nothing lasts as it is―everything constantly changes.
It means the uncertainty and fragility of life and or death.
In Jodo Shinshu, it is interpreted as the following.
“Anything with a shape will eventually be gone.”
Life is something that passes in a blink.