法事のたしなみ
法事を見なおそう!
だれのための法事?
追善供養ではありません。
法事の意義は?
法事の意義
門徒の法事のたしなみ
法事というと、年回に親戚縁者が集まって、お寺さんにお勤めをして頂き、その後ごちそうをいただいて、故人をしのぶという事が一般のイメージですが、もう一歩踏み込んでおつとめしたいものです。法事の意義をかみしめて、より丁寧に感動的に仏さまの願いに耳を傾けましょう。
法事の意義は?
第一に法事は感謝のための法要です。
大家族から核家族、又、シングルで一生を過ごす人が多くなった今日このごろです。私達が多くの「いのち」のつながりの中で生かされていることが味わいにくく、「人間死んだらおしまい」とか「人間死んだらゴミになる」と捨てゼリフすらも聞かれます。
そうでしょうか?
私のいのちは一人で生きてきた「いのち」ではなく多くの縦にも横にもつらなる深い「いのち」の中にいることを感謝したいものです。
又、かけがえのない人を亡くされた時、わかっていてもどうしようもない悲しみに涙せずにおられません。亡くなった人を偲ぶことを「とぶらう」といいますが、とぶらうとは「訪う」(とぶらう)という意味で訪ねていくことです。
生きている人なら、なんとかして訪ねて行くことができますが、亡くなった人はどのようにたずねればいいのでしょうか?お墓でしょうか?
お墓は、肉体が形を変えお骨となり、長い歳月を経てやがて風化し、自然に帰って行く場所です。しかし、こころはそこにおられません。
法事は在りし日の面影をしのび、そのこころを訪ねて行くことでしょう。それは、残されたわたしたちが仲良く幸せに暮らしていくことでしょう。そして、仏さまのみ教えに出遇うことです。
その意味から法事は私が法を聞くお念仏の集いです。
浄土真宗のみ教えでは、お浄土(仏さまの国)に生まれた故人は、阿弥陀さまと同じ覚りをひらいて、私たちのために働き続けておられます。本当に亡くなった人をたずねる道は、仏教のみ教え(阿弥陀さまのこころ)のなかに訪ねなくてはなりません。それは、私自身が信を得てお念仏生活の喜に生きることです。つまり、法事は、残された私自身が仏教にふれ、教えを聞いていく大切な場であります。
まとめ
法事は「厳粛ないのち」を通して二度と遇うことができない大切な人や、先祖に感謝のこころをささげる事と、さらに私が仏法を聞いていくことです。ですからお経が勤められ、法話があります。
年回法要
浄土真宗の年会法要
一周忌 | いっしゅうき | 命日からまる1年 |
---|---|---|
三回忌 | さんかいき | 命日からまる2年 |
七回忌 | しちかいき | 命日からまる6年 |
十三回忌 | じゅうさんかいき | 命日からまる12年 |
十七回忌 | じゅうしちかいき | 命日からまる16年 |
二十五回忌 | にじゅうごかいき | 命日からまる24年 |
三十三回忌 | さんじゅうさんかいき | 命日からまる32年 |
五十回忌 | ごじゅっかいき | 命日からまる49年 |
百回忌 | ひゃっかいき | 命日からまる99年 |
以後は50年ごとに勤めます。二十三回忌、二十七回忌と三と七のつく年に年忌をする場合もありますが浄土真宗派では上記の年数です。
五十回忌まで勤める事ができれば大変ありがたいことです。それだけ家が長く続いているあかしでもあり、先祖や、親の法事をつとめることを素直によろこびたいものです。
私たちが今、こうして生かされているよろこびを忘れがちな日常に、あらためてかみしめる、人生の大切な行事です。参詣された人々も共々にそのことを確かめあう集いにしたいものです。
法事の準備
法事のつとめかたは、その土地の風習によってさまざまですが、参考まで準備と進行を紹介しましょう。
日時の決定
おつとめいただくお寺さんの都合をまず確かめましょう。少なくても2ヶ月前には日時を決めます。
※命日より遅らせず早めにつとめるならわしですが、あまりこだわる事はありません。
参詣者に案内をだす
仏教徒の言葉を使いましょう。
お斎(会食)・引き物(法要記念品)の手配
お斎は料理店に行く場合、自宅やお寺で仕だし料理を頼む場合、自宅で準備する場合等があります。
仏壇の準備
- 自宅の場合
きれいにお掃除をして荘厳しましょう。
普段お仏壇でお参りしている道具は、全部必要です。
できれば五具足、打敷きをかけます。
お供物はいつもより多く用意します。
お焼香のため、香炉の灰をならし火種の香炭を用意しましょう。
又、焼香するためにお盆も必要です。 - お寺の場合
施主が用意する物- 過去帳又は法名軸
- 荘厳、供え物(花、餅、菓子、果物等)
- 故人の写真
≪お寺によって変わる事があります≫
- その他の場合
ホテル、地域の会館、料理店等で行う場合、色々の作業はその業者が代行してくれますが、良く打ち合わせをしてお寺の場合を参照し、法事の意義が損なわれないようにすることが大切です。
服装
礼服である必要はありませんが、黒っぽい服装等の略礼服が一般的です。平服でもかまいませんが派手なものはさけましょう。念珠はもちろんのこと式章を着けたら正式です。
法事の進行
- 参詣者着席
- 僧侶着席
- 施主(司会者)開式の挨拶
- 勤行
- 法話
- 施主の挨拶 法事挨拶例へ
- おトキ
法事の主催は施主であることにこころがけて進めましょう。
お斎(とき)について
単に会食ではありません。
仏法に関する事、故人の思い出を中心に話題を進めましょう。
お勤めが終わり、施主(主催者)の挨拶がおわりますといよいよ会食です。法事をはじめ仏事の際の会食は「お斎」とよばれています。お斎のルーツはお釈迦さまの時代までさかのぼります。当時の修行者の食事は朝、托鉢に出て施された食物をその日の午前中に食べる戒律です。
正午までに食事をすることを「正時」といい、午後の食事を「非時」と呼びました。この「時」が「斎」になり法事や法要の食事の意味としてもちられるようになったといいます。
その事を考えますと、「お斎」は施主による法要参加者のお礼の食事でもなく、仏事の一部です。会食をとおして故人や、仏さまのご恩を確かめる大切なひとときです。
お斎は単に会食ではないことに気をつけて、仏法に関する事、故人の思い出を中心に話題を進めましょう。
案内をもらった場合のこころがけ
服装
四十九日法要では黒っぽい服装等の略礼服が一般的ですが、他の年回法要では平服でかまいませんが派手なものはさけましょう。念珠は必ず持参しましょう。また式章、聖典を持っていれば持参しましょう。
お供物
花.菓子.果物等が一般的ですが、故人が好きだからといった酒.たばこ等の嗜好品はお供えしません。仏前にお供えるという基本をわすれずに。
- ※参拝者は単なるお客ではなく、法事を勤める一員として心がけてお参りしましょう。
のし袋の表書き
- ×適切 ご仏前
- ×不適切 ご霊前